メグ・ライアンのファンからみれば、いいのでしょうが、
映画作品としての観点で鑑賞し、
あえてストーリーだけ取り出せば、凡庸な犯人探しのスリラー
映画です。
そこを、「ピアノ・レッスン」で手腕を見せた監督が、
お得意の、男女の愛、くすんだようなトーン、ロマンス、
やるせなさ、何かを暗喩する様々なカットを挿入した結果、
剰な演出と編集で何か、重要な何かが映画に隠されているという
期待で観客の気を引っ張りますが、結局真犯人探しという、
特に目新しさのない、ありきたりな結末に
なってしまっています。
逆に、言葉を書き留める英語教師で作家、マロン刑事との
濃密な愛情表現、黒人の教え子、怪しい医学生、仲のいい義理の妹
など、人間模様を散りばめつつ、同時に、連続殺人事件という、
人間ドラマの描写と、殺人事件という映画的なモチーフが、
ない交ぜになってしまい、芸術的な演出と、犯人探しという現実的な
面白さが、かえって、ミスマッチになり、映画全体の方向性と
完成度を観客から見ると、焦点の定まらない作品にしてしまった
ように感じます。
完全に好き嫌いが分かれる作品になりました。
メグ・ライアンが新境地に挑戦という意気込みはとっても
よく伝わってきますので、その意気やよし、と誉めたいところ
ですが、その新境地が、笑わず、化粧っ毛を落とし、荒涼としたオーラを
かもし出す主人公を演じると同時に、ポルノまがい
のヌード披露ということであるならば、挑戦するには、年齢的に
遅きに失した感があります。